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風の丘葬祭場は、一九九七年の竣工だが、都市的な建築ではなく、緑あふれるランドスケープと調和した注目すべき新機軸の作品である。

なだらかな丘から眺めると、幾つかの傾いた幾何学的なオブジェが敷地に埋め込まれている。 八角形の斎場は、斜めの建物が部分的に地下にもぐっているように見え、朽ち果てていく太古のモニュメントといった趣すら漂う。
実は、敷地内に古墳時代から近世までの墓地群が存在し、その遺構も独特なランドスケープの創出に寄与している。 また整然と配置した静謡な収の斜めの壁によって隠され、建築の姿を見し、風の変化にあわせて地中から音が響く。
すなわち、建築が自己主張するのではなく、環境と融合した空間が実現されている。 中津市では、やはりMによる小幡記念図書館がある。
こちらも周囲の環境を意識し、高さを抑えた良好な空間をもつ。 小都市ながら、こうした作品が複数あると、街に個性をもたらす。
続いて、Mの芸術文化センター(仮称)も誕生する予定だったが、財源が確保できないとして、中津市は建設を中止した。 残念である。
敷地は駐車場になるという。 近代建築は鉄道とともに始まった。
一九世紀に新しいビルディングタイプとして鉄道駅は登場したが、古代から存在する神殿や闘技場とは違い、これまでになかったタイプの施設をつくるとは、いかなることだったのか。 鉄とガラスの大屋根がプラットホームを覆う、近代的な空間を必要としたことだ。

ロンドンのキングス・クロス駅やパリの北駅のように。 だが、パリの東駅を含む多くの駅のファサードは古典主義の様式をまとい、大きな半円形の窓のみが背後のガラスのボルト屋根を暗示していた。
つまり、前近代的な外部と近代的な内部という断絶が集約されている。 一九世紀の建築界が抱えていた問題でもあった。
グスタブ・エッフェルも、エッフェル塔を設計する以前に、トラス屋根をもつブダペストの駅を手がけている。 テオフィル・ゴーチェは、一八六九年にこう語ったという。
「駅とは、鉄道という一九世紀の宗教が形となってあらわれる近代産業の宮殿である」、と。 二〇世紀への転換点となったデザインに駅は関与していた。
アールヌーボーはパリのメトロ、ゼッェシオンはウィーンの地下鉄において、鉄とガラスの特性をいかした造形を試みている。

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